MEMSセンサ向け新表面マイクロマシニング・プロセス

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 STマイクロエレクトロニクス/STMicroelectronics(ST、NYSE:STM)は、新たに認定された表面マイクロマシニング・プロセス THELMA60(60μm Thick Epi-poly Layer for Micro-gyroscopes and Accelerometers)によるMEMSセンサの製造を始めたと発表した。同社は、多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーで、MEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)のトップ・メーカーかつコンスーマ・携帯型機器・車載機器向けMEMSセンサの主要サプライヤ(1)(2)となっている。これまで半導体メーカーは、3次元MEMS製品(加速度センサ、ジャイロ・センサ、MEMSマイクロフォン、圧力センサ)の量産に、精密な制御ができる表面マイクロマシニングとバルク・マイクロマシニングという2種類の製造プロセスを使用してきた。表面マイクロマシニングはコスト効率に優れている一方、高い感度と精度が求められる場合はバルク・マイクロマシニングが頻繁に選択されてきた。STは両プロセスの優位性を組み合わせたこの新たな表面マイクロマイシニング・プロセスにより、新たな市場や応用分野におけるMEMSセンサの可能性を広げる。

 
 Yole Development社の社長 兼 最高経営責任者(CEO)であるJean-ChristophEloy氏は「複数の企業が、成長中のIoTやコンスーマ・携帯型機器市場における高い量産効率に対応するバルク・マイクロマシニングの精度と感度の維持に挑戦し、失敗してきました。60μmのエピタキシャル層によるSTの新しい表面マイクロマシニング・プロセス革新的かつ効果的な方法でこの課題を解決しました」とコメントしている。
 STのエグゼクティブ・バイスプレジデント 兼 アナログ・MEMS・センサ・グループ ジェネラル・マネージャであるBenedetto Vignaは「表面マイクロマシニング・プロセスであるTHELMA60の導入により、慣性センサは新たな時代を迎えます。このプロセスは、従来はバルクマシニング・プロセスで対応していた、移植型医療デバイスや、航空宇宙システムおよび地震探査用のハイエンド・センサなど、高い感度を必要とする要求の厳しいアプリケーションのコスト効率向上に理想的で、数多くの製品の生産が既に開始されています。コンスーマ機器用慣性センサをリードしてきた当社は、今回、ハイエンドセンサ・アプリケーションにおける変革を目指していきます」とコメントしている。
 
■技術情報
 表面マイクロマシニングは、シリコン・ウェハ表面上に成長させた「厚い(Thick)」結晶層(エピタキシャルまたはエピ)に構造体を形成する。通常、白血球の直径とほぼ同じ厚さのこの層(最大25um)に対して、成膜、エッチング、フォトマスク形成等の加工を行い、MEMSセンサ内に可動構造体(可動マス)を形成する。この可動マスのサイズが製品の感度に関係する。卓越した製造効率で低コスト化を実現する表面マイクロマシニングは、コンスーマ機器、携帯型機器、IoT機器向けのMEMSセンサに最適。
 一方、バルク・マイクロマシニングは、シリコン基板に直接微細構造を形成するため、可動マスが大きくなり、その感度と精度も向上する。感度の向上に伴い、コストも増加するため、バルク・マイクロマシニングは医療、航空宇宙、車載機器といったハイエンド分野を対象としている。
 STはエピタキシャル層を60umまで厚くすることにより、従来はバルク・マイクロマシニングで実現していた高い感度を可能にした。
1)出典:IHS Consumer and Mobile MEMS Market Tracker H1 2014
2)出典:IHS Market Tracker Automotive MEMS H1 2014
STグループ(英語)
ST日本法人

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このページは、asiabizが2014年11月20日 10:00に書いたブログ記事です。

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